カテゴリー別アーカイブ: きこりという仕事

きこりという仕事Vol.5 「現代のきこりのミッション〜その2〜」

投 稿 日 : 2013年7月11日

久米さんは、自らを「森林管理サービス業」と名づけています。

どう手をつけていいか分からず困っている地主さんに、
「この木は伐りましょう、この木は残しましょう」と具体的に提案し、山に手を入れていくことは“現代のきこり”の重要な任務。

「山のプロとして、
これからの山を健康に保つ方法を伝えていきたいですね。

地主さんにとって、山は先祖代々受け継がれてきた大切なもの。
その将来を一緒に考える、よきパートナーでありたいと思っています」。

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最後に、今後の目標を聞きました。

「“ソマウッドに管理を頼んでよかった”と思ってもらうことですね。
山と地主さんをつなぐ、橋渡しの役割ができたらいいなと考えています。

そしてもうひとつは、“伐る人と作る人”がもっと親密になること。
コミュニケーションをとりながら、よりよい木の使い方を模索していきたいです」。

これからの新しい山作りを担う久米さんの表情は、とても晴れやかでした。

 

きこりという仕事Vol.4 「現代のきこりのミッション〜その1〜」

投 稿 日 : 2013年7月8日

久米さんの仕事は、木を伐って市場に出すこと。
しかし、それだけにとどまりません。

たとえば、林業に携わる人たちへの啓発活動。

チェーンソーでの事故や、伐採時に倒木に当たる事故など
林業は常に危険と隣り合わせです。

事故を0に近づけようと
久米さんが所属する「S−GIT」という団体は、
全国各地に出向き、安全教育の研修に力を入れています。

「研修の中心はチェーンソーの基礎研修。
それぞれの木をじっくり見極め、手順を踏んで伐採していく方法を
みなさんにお伝えしています」。

今まで林業の技術は、師匠の技を近くで見ながら習得していくのが一般的でした。
経験や勘に頼ることも多く、基礎訓練が不足しているのが
事故の起こる一因ではないか?ともいわれているそうです。

労働災害が多いといわれる林業を、少しでも安全に。

そんな「S−GIT」の技術を学びたいという全国からの申し出に応えるべく、久米さんは日々精力的に活動しています。

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きこりという仕事・Vol.3 「この仕事をこの土地で選んだわけ」

投 稿 日 : 2013年7月6日

“きこり” は、おとぎ話や昔話ではおなじみの仕事ですが
現代ではメジャーとはいいがたい職業。

久米さんはなぜこの仕事を選んだのか、聞いてみました。

「実家が林業だったわけでも、幼いころ山が身近にあったわけでもないんです。

静岡の大学に入学し、ひょんなことから山荘の管理人の
アルバイトをすることになったのが“山”と縁ができたきっかけ。
いわゆるIターンというやつです。

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そして、結婚を機に
“この山間地域で、僕ができることはなんだろう?”
考えるようになりました。そこで選んだのが、きこりという仕事です。

子どもも生まれ、地域の人たちがいっそう僕らを認めてくれるようになりました。

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僕も子どもも、この土地で育ててもらっている思いが強い。だから
ここで恩返しをしていきたいと思っています」。

山での暮らしについて、奥さまにもお話を伺ってみました。

「数年前、すぐ近所で山崩れが起きたのですが、

“久米さん、頼む”と地域の方が主人を頼ってくれました。
彼の知識や技術がこの土地で役立つのだと思ってうれしかったですね。

同時に、災害を防ぐためには山林をしっかり管理しなくてはならないということを実感し
主人の仕事のすばらしさを再確認することができました」。

ここに越してきてすぐは、夜の暗さと静かさに落ち着かなかったという奥さま。

「でも、周りの人はとても温かくわが家を支えてくださいます。
子どもたちもこの土地が大好き。自然にあふれ、育児するには最高の場所です」。

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きこりという仕事・Vol.2 「間伐はどうしてたいせつなの?」

投 稿 日 : 2013年7月4日

久米さんが管理している林から10分ほど歩いた先に、
細いヒノキがひょろひょろと育つ場所がありました。
中はうっそうとしています。

間伐をしていないと、足元はこんなに真っ暗です。

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久米さんは言います。
「間伐というのは、木が健康に育つためにはもちろんですが
自然環境を保つ上でも大切。最近増えている山崩れとも無関係ではありません
」。

「密集したまま日光が入らないと、木々は健康に育ちません。
根がしっかり張らずひょろひょろと伸びるので倒れやすくなり、
台風などの被害を受けることもあります。

それに、真っ暗な林の地面には草が生えないので、
ひどい雨が降るたびに土砂が流れ出てしまうのです」。

ただ、このような林でも間伐をすれば徐々に改善が見られるそうです。
久米さんが5年前に手入れをした「間伐モデル林」の木々は、
まだまだ細いながらも日の光を浴びて気持ちよさそうでした。

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きこりという仕事・Vol.1 「おひさまとヒノキ」

投 稿 日 : 2013年7月1日

ヒノキの森に入って木を見上げると、
枝が一定方向にだけに茂っています。

「ヒノキは、日の当たる方向には枝をぐんぐん伸ばしますが、
当たらないほうにはあまり伸ばしません」
と久米さん。

そして、興味深い話を教えてくださいました。

「その昔、林業が盛んだったころ“もっと大きく育てよう”と
山に肥料をまいた時代がありました。

しかしその効果はほとんどなかったんだそうです。

一方、こまめに間伐を行った山では、
幹の太い、しっかりとした木が育ちました。

つまりヒノキが育つ上で一番大切なものは、太陽の光。
丁寧に手入れをして光を入れてやることが、
木にとっては何よりのごちそうだというわけです」

さて
丸太にするために枝を払うと、そこには赤みを帯びた節

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おひさまの力をしっかり浴びた証拠でしょうか、
その断面は、まるで朝日のようなあざやかさでした。

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